どんな場所か

佐賀県伊万里市にある老舗の蔵元「松浦一酒造」には、代々大切に受け継がれてきた不思議な遺物が安置されています。それが「河伯(かっぱ)」と墨書きされた木箱に納められている、全国的にも知られる「河童のミイラ」です。

伝説・来歴

このミイラは、昭和28年(1953年)の母屋改装工事の際、屋根裏の梁の上から偶然発見されたと伝えられています。箱には「河伯」と記されており、水が命である酒造りの守護神、あるいは火災除けの神として祀られていたのではないかと考えられています。体長はおよそ数十センチで、頭部や手足の水かきのような特徴など、伝承に描かれる河童を思わせる独特の姿形を残しています。古くから水にまつわる怪異や妖怪の伝承が多い日本において、当時の人々の信仰や自然への畏敬の念が形となった貴重な民俗資料とも言われています。

訪ねるなら

松浦一酒造では、このミイラを「水神様」として大切に祀っており、酒蔵の見学エリアで一般に公開されています。酒造りの歴史を学ぶとともに、地域の守り神として親しまれているミイラに手を合わせる人々が絶えません。