忽然と姿を消した入植者たち

16世紀末、現在の米ノースカロライナ州にあったロアノーク島で、100名以上の入植者が集落ごと消え去った「失われた植民地」の謎です。

1587年、イギリスから海を渡った人々がロアノーク島に定住を始めました。知事のジョン・ホワイトは補給物資を調達するため母国へ一時帰国しますが、戦争などの影響で再訪が大幅に遅れ、1590年にようやく島へ戻ることになりました。しかし、そこに人の姿はなく、家々は解体され、完全に無人となっていたと伝えられています。

柱に残された文字「CROATOAN」

集落の跡地を捜索した際、砦の柱に「CROATOAN(クロアトアン)」という単語が、近くの木には「CRO」という文字だけが刻まれていたと記録されています。これは近隣の先住民族や別の島の名前を指すと考えられていますが、争いや急な避難の痕跡は見当たらず、入植者たちの行方は一切わかりませんでした。

語り継がれる真相と現在

この事件をめぐっては、飢餓や物資不足から友好的な先住民族の集落へ移住し同化したという説が最も有力視されていますが、明確な証拠は見つかっていません。過酷な大自然の中に消えた入植者たちの運命は、アメリカ初期の歴史における最大の未解決ミステリーとして今も語り継がれています。